『芽』

ゆっくりと目を開けるとマッチで蝋燭に火をつけ、僕はごほんと咳をする。
息は白く濁って、まだ二月だと言うことを僕は実感しながらキッチンに向かう。

キッチンには昨日作ったまま置いてあるポトフがあるので、それを加熱しながらガスコンロの火で煙草を吹かす。

そうして一服してからポトフを鍋のまま食べる。マナーが悪いのは分かっているが面倒なのは嫌いなのだ。

食べ終わると僕は学校に行く準備をする。着替えたり、歯を磨いたりとか、そういった在り来たりな事を。

そうして準備が一通り終わると僕は再びベッドで眠るのだ。


僕はこうして温床の中で芽を腐らせていった。