目の裏の水溜まり、投げた石は波紋を作って、それから心の中に積もっていった。目の中が浸水してしまうまで僕ら手を繋いで石を投げていた、溺れてしまうまで、殺してしまうまで。そうして溢れた水溜まりは乾いた部屋を埋めて、そうしてカレンダーにぶら下が…
少年はコホンと小さく咳をして、庭にある小さな椅子に腰をかける。彼の持つ小さな庭の上には満月がぽつりと佇んでいた。それは町の上に輝く月というよりも、彼の庭の一部としての月と思えるほど丁度良い塩梅で彼の庭を照らしていた。だから彼もお気に入りの…
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