2012-01-30 忘却された街 世界 剥がれかけたポスターが風に揺れている。 錆びた噴水には油が浮いていて、それが太陽の光を七色に染めている。 カタカタと鳴る古びた車の窓には、のっぺりと貼りついた雲だけが正しく時刻を刻んでいる。すべてが終わってしまった街には誰一人いない。 それでもなお、街は住む人を求めて時間を回す。すべてがまた秩序を取り戻すと信じて、歪んだネジを動かし続ける。