所詮散りぬる命とて

爬虫類の夢を見た
それが何かは分からない

僕の首を絞めていた、柔らかな手でそっと
苦しくもなく ただ眠りの中で濃い眠気を感じた


夢の中の夢は覚め、爬虫類はもう居なくなっていた。
酷く汗をかいた僕は蛇口からコップに水を注いだ。
蛇口から出てきたのは、サラサラと乾いた砂で僕はコップに溢れる砂を前に茫然としていた。

気付けば口の奥にザラザラとした感触を覚えて、数秒後に僕は大量の砂を嘔吐する。
大量の砂は磨かれたフローリングを慌ただしく滑って、部屋の四方に散らばった。

僕は驚いて立ち上がると反射した窓に映る自分を見つけた。
窓に映る僕は腹部が空洞で、断面には砂がこびり付いていた。
僕は何かを理解した。しかし、何かを説明するのは難しく、だからこうして言葉にしているのだろう。

僕が再び夢から覚める事は無かった。