食卓

「いちたすにーたすさんたすよんたすごーたすろくたすななたすはちたすきゅーたすじゅーたすじゅーいちたすじゅーにたすじゅーさんたすじゅーよんたすじゅーごたすじゅーろくたす…」

と呟く妹の声は次第にかすれていき仕舞いには伸びきったテープのようになってしまったので僕は妹を解体すると発泡スチロールに梱包して実家に送り返した。
すると次の日には新品同様の妹が届いたので一緒に朝食を食べ妹を小学校へ送り出すと朝食の味が不満だったらしく父さんは僕を解体して実家に送り返した。
次の日には調整し終えた僕と修理に出した母さんが届いたので久々に家族団らんで食事を食べた。
僕の家庭は父さんだけが壊れられなかった。
可哀想な父さん。僕も母さんも妹も修理出来るのに。
ほら、君もこっちにおいでよ。