アルビノの白い肌

英字新聞に包まれて君は16階から落ちて来たんだよ。僕は何となく君を受け止めて、浴室で丁寧に洗ってから乾かしたんだ。その日は震えるほど寒くて、だから色の無かった君は自然と雪のような白になったんだろう。僕らは寒くて、だから小さくなって一緒に眠った。抱き合っていると僕の心音がいつの間にか君にも入って、それで君は呼吸を始めたんだ。


あの日から半分になった心臓は僕を長生きさせてはくれなくて、だから僕はこうしてこれを書いている。

ほら、もうすぐまた雪が降るよ。この冬からはきっと君一人で越さなくちゃならないけれど、死んで木に戻った僕を暖炉で燃やしながら「ペチカ」でも歌えば、きっとひとりぼっちでも大丈夫だよ。

だから目を閉じて今はおやすみ。