慟哭

誰も起きていない朝だから、僕は一人で公園にいました。
ツナ缶を開けてはそこらにいる野良猫に与えながら、まだ現れない太陽を出来るだけ鮮明に頭の中で描くとそれは何故だか金魚に化けているので、尾びれを掴むとそれもそこらの野良猫に与えました。

町はまだ明るくはならず、青春のように残酷なまでに深い青に染まっていました。

僕は知っていました。僕がいなくても何も変化なく地球は回るのです。それは至極当然なことだけれど、それでも風が吹くだけで桶屋が儲かるのに僕が死んでも大したことが起こらないという事実は僕の価値をずっと揺らし続けているのです。

僕はその呪縛から今日も逃れられず、やはりいつものように公園で泣くのです。