殺菌、滅菌、もういいかい

「グリコ、チヨコレイト、パイナツプル、グリコ、チヨコレイト、パイナツプル、グリコ、チヨコレイト、パイナツプル、グリコ、チヨコレイト、…」


階段を昇る赤いランドセルの女の子達の足音はパタパタという音を立てて僕の部屋を叩くので浴室で血にまみれたあの娘の真白な脚を洗っていた僕もそれを止めて、そのへんてこ拍子に合わせて口笛を吹くのです。

すると天井裏の二十日鼠が赤目をギョロギョロさせながら僕が金庫に隠しておいた満月を見つけてかじるので、気が付けば夜が来ていて空には病弱な三日月が物悲しげに佇み、そうして僕は浴室にあの娘を忘れたまま眠るのです。