strawberry garden

黒いワンピースの少女は赤いマニキュアが剥がれかけた指でピアノの白鍵ばかり弾いている。彼女のその部屋は壁一面が蔦に覆われていてまるで森の中のようだった。

僕はソファに座ってコーヒーを飲みながら蔦を眺めていた。
よく見ると蔦の至る所に赤い実がついているので、僕はソファから立ち上がるとその赤い実を1つ食べた。

すると全ての色は反転して白いワンピースの少女は黒鍵ばかり弾いていた。
壁についた赤い実はいつの間にか全てなくなっていて、僕の視界が再び反転することはとうとう無かった。